
あなたは「ヒューズボックスのリレーが故障したけど、どうやって外せばいいのかわからない」と思ったことはありませんか?結論、リレーの外し方は正しい手順と適切な工具があれば初心者でも安全に行えます。この記事を読むことでヒューズボックスリレーの正しい外し方と交換手順がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
Contents
1.ヒューズボックスリレーの基本知識と外す前の準備
ヒューズボックスとリレーの役割・構造
ヒューズボックスは、車の電装品を保護するヒューズと、電気の流れを制御するリレーが収納されている重要な部品です。
リレーは電磁石の原理を利用した電気部品で、小さな電力で大きな電力をコントロールする「継電器」の役割を果たしています。
リレーの基本構造は以下の通りです:
- コイル(電磁石)部分
- 接点(スイッチ)部分
- 端子部分
リレーが正常に動作することで、ヘッドライト、ウィンカー、エアコンなどの電装品が適切に作動します。
故障したリレーを放置すると、対応する電装品が作動しなくなったり、異常な動作を起こす可能性があります。
そのため、リレーの故障が疑われる場合は、速やかに点検・交換を行うことが重要です。
リレーを外す前に確認すべき安全事項
リレーを外す作業を始める前に、必ず以下の安全確認を行ってください:
- エンジンを完全に停止させ、キーを抜く
- バッテリーのマイナス端子を外す(作業によっては必須)
- 作業箇所に水分がないことを確認する
- 適切な照明を確保する
作業時の注意点として以下があります:
- 濡れた手で作業を行わない
- 金属製の工具でショートさせない
- リレーやヒューズを落とさないよう注意する
- 作業後は必ず動作確認を行う
特にエンジンルーム内での作業では、高温部分に触れないよう十分注意が必要です。
また、ハイブリッド車の場合は高電圧システムが搭載されているため、専門的な知識がない場合は整備工場に依頼することを強く推奨します。
必要な工具と専用リレープラーの種類
リレーを安全に外すために、適切な工具を準備することが重要です。
基本的な工具は以下の通りです:
- 細先ラジオペンチ
- リレープラー(専用工具)
- マイナスドライバー(小サイズ)
- 懐中電灯またはヘッドライト
専用のリレープラーには以下の種類があります:
- 標準型リレープラー:一般的なリレー用
- 小型リレープラー:ミニリレー用
- 多機能型:リレーとヒューズ両方に対応
リレープラーは自動車用品店やオンラインショップで1,000円~3,000円程度で購入できます。
KTCやエーモンなどの信頼できるメーカー製品を選ぶことで、作業効率と安全性が向上します。
工具選択のポイントとして、リレーのサイズに合った適切な工具を使用することが重要です。
2.ヒューズボックスの場所特定とカバーの外し方
車種別ヒューズボックスの設置場所の見つけ方
ヒューズボックスの設置場所は車種によって異なりますが、一般的な場所があります。
室内のヒューズボックスの主な設置場所:
- 運転席足元付近
- 助手席グローブボックス裏
- ダッシュボード下部
- Aピラー根元付近
エンジンルーム内のヒューズボックスの主な設置場所:
- バッテリー近く
- エンジン左右どちらかの端部
- ラジエーター付近
- エアクリーナーボックス周辺
ヒューズボックスには通常「FUSE」や「RELAY」の表示があり、黒いプラスチック製のボックス状になっています。
車の取扱説明書には必ずヒューズボックスの場所が記載されているので、事前に確認することをお勧めします。
見つからない場合は、車種名とヒューズボックスで検索すると具体的な場所の情報が得られます。
エンジンルーム内ヒューズボックスのカバー開閉方法
エンジンルーム内のヒューズボックスは、防水・防塵のためにしっかりとしたカバーで保護されています。
一般的なカバーの開閉手順:
- カバー周囲のロック機構を確認
- ツメやクリップを押しながらカバーを持ち上げる
- カバーが完全に外れるまで慎重に引き上げる
- カバー裏面の配線図を確認
カバーにはヒューズとリレーの配置図が印刷されていることが多いので、作業前に必ず確認してください。
ロック機構にはツメ式、クリップ式、ネジ式などがあり、車種によって異なります。
無理に力を加えるとカバーやツメが破損する可能性があるため、ロック機構を正確に理解してから作業を進めることが重要です。
作業完了後は、カバーを確実に閉めて防水性を保つことを忘れないでください。
室内ヒューズボックスのアクセス手順
室内のヒューズボックスは比較的アクセスしやすい場所にありますが、内装パネルを外す必要がある場合もあります。
運転席足元のヒューズボックスにアクセスする手順:
- 運転席に座り、足元を確認
- プラスチックカバーまたはパネルを特定
- クリップやネジを外してカバーを取り外す
- ヒューズボックス本体にアクセス
助手席側グローブボックス裏の場合:
- グローブボックスを完全に開ける
- グローブボックス左右のストッパーを外す
- グローブボックスを下に倒してアクセス
- 奥にあるヒューズボックスを確認
室内の作業では、内装パネルを外す際にクリップを破損しないよう注意が必要です。
パネルリムーバーなどの専用工具を使用すると、内装を傷つけずに作業できます。
作業後は、外したパネルやクリップを元の位置に確実に取り付けることが重要です。
ヒューズボックス内でのリレー位置の確認方法
ヒューズボックス内には多数のヒューズとリレーが配置されており、目的のリレーを特定することが重要です。
リレー位置の確認方法:
- ヒューズボックスカバー裏面の配線図を参照
- 車の取扱説明書の該当ページを確認
- リレーボックス本体に印刷された表示を確認
- オンラインで車種別の配線図を検索
リレーは通常、ヒューズよりも大きく、立方体または直方体の形状をしています。
リレーの種類による外観の違い:
- 標準リレー:黒いプラスチック製、約2.5cm角
- ミニリレー:標準リレーより小型
- マイクロリレー:最も小型、10mm角程度
リレーには4ピン、5ピンなどの種類があり、ピン数によって機能が異なります。
故障の疑いがあるリレーを特定したら、まず同型のリレーと交換して動作確認を行うことで、故障の原因を絞り込むことができます。
3.リレーの外し方の手順とコツ
ツメ式リレーの正しい外し方と注意点
ツメ式リレーは、ヒューズボックスのソケットにツメで固定されている最も一般的なタイプです。
ツメ式リレーの外し方の基本手順:
- リレー本体の両側にあるツメを確認
- 両方のツメを同時に内側に押し込む
- ツメを押しながらリレーを真上に引き抜く
- 抵抗を感じたら無理をせず、ツメの押し込みを再確認
作業時の重要なポイント:
- 両側のツメを同時に操作することが重要
- 片側だけ押すとリレーが斜めになり外れにくくなる
- リレーを左右に少し揺らしながら引き抜くと外れやすい
ツメ式リレーの場合、指先だけでツメを押すのが困難な場合があります。
その際は、細いマイナスドライバーを使ってツメを押し込みながら作業すると効率的です。
ただし、ドライバーを使用する際は、周囲の配線や部品を傷つけないよう十分注意してください。
専用工具を使った安全なリレー取り外し手順
専用のリレープラーを使用することで、より安全で効率的にリレーを取り外すことができます。
リレープラーを使用した取り外し手順:
- リレープラーの爪部分をリレーの両側に合わせる
- プラーの爪がリレーのツメ部分を確実に捉えているか確認
- プラーのハンドルを握ってリレーを挟み込む
- 垂直方向にゆっくりと引き抜く
専用工具使用時のメリット:
- 手が届きにくい場所でも作業しやすい
- リレーや周囲の部品を傷つけるリスクが低い
- 均等な力でリレーを引き抜ける
- 作業時間の短縮が可能
KTCやエーモンなどの高品質な専用工具を使用することで、作業の安全性と効率性が大幅に向上します。
専用工具は1,000円程度の投資で長期間使用できるため、定期的にリレー交換を行う場合は購入を検討することをお勧めします。
固着したリレーの外し方とトラブル対処法
長期間使用されたリレーは、熱や湿気の影響で固着することがあります。
固着したリレーの対処法:
- リレー周囲を接点復活剤で清拭
- リレーを左右に軽く揺らしながら引き抜く
- 温度が高い場合はエンジンを冷やしてから作業
- 必要に応じて潤滑剤を少量使用
注意すべきトラブルとその対処法:
- リレーが斜めに傾いた場合:一度押し戻してから再度取り外し
- ツメが破損した場合:新しいリレーと同時にソケットも交換検討
- 配線が絡まった場合:無理に引っ張らず丁寧に解く
固着が激しい場合は、無理に力を加えず、エンジンが完全に冷えた状態で再度作業を試みてください。
それでも外れない場合は、ソケット自体の交換が必要になる可能性があるため、整備工場での相談をお勧めします。
古いリレーを外す際は、後で参考にするために取り付け方向を写真撮影しておくと安心です。
リレー外し時によくある失敗例と回避方法
リレーの取り外し作業では、いくつかの典型的な失敗パターンがあります。
よくある失敗例と対策:
- 力任せに引っ張る:ツメを確実に押してから引き抜く
- ツメを片側だけ押す:両側同時に操作する
- 配線を引っ張る:リレー本体を持って作業する
- 向きを間違える:取り付け前に写真で記録する
作業環境による失敗の回避方法:
- 暗い場所での作業:十分な照明を確保
- 狭いスペースでの作業:適切な工具を使用
- 高温時の作業:エンジンを十分冷やす
初心者が陥りやすい失敗として、リレーとヒューズを混同することがあります。
リレーは立体的で大きく、ヒューズは平板状で小さいという違いを理解しておくことが重要です。
また、同じ機能のリレーが複数ある場合は、故障していないリレーを誤って取り外さないよう、事前に故障箇所を正確に特定してください。
作業前に車の取扱説明書を熟読し、該当する電装品の回路図を理解することで、多くの失敗を未然に防ぐことができます。
4.リレー交換と取り付け後の確認作業
新しいリレーの選び方と適合確認
新しいリレーを選ぶ際は、元のリレーと完全に適合することを確認する必要があります。
リレー選択時の確認ポイント:
- 型番(部品番号)が一致している
- ピン数が同じ(4ピン、5ピンなど)
- 定格電圧・電流が適合している
- 外形寸法が同じ
リレーの種類による違い:
- 標準リレー:一般的な電装品用
- 点滅リレー:ウィンカー専用
- 時限リレー:一定時間後に動作停止
- 多機能リレー:複数の制御機能を持つ
純正部品と社外品の選択について:
- 純正品:確実な適合性、高い信頼性
- 社外品:価格が安い、入手しやすい
- OEM品:純正品と同等の品質
信頼できるメーカーとしては、デンソー、ミツバ、オムロンなどが挙げられます。
部品番号が不明な場合は、車検証の情報を持参して自動車用品店やディーラーで相談することをお勧めします。
リレーの正しい取り付け手順と向きの確認
新しいリレーを取り付ける際は、正しい向きと確実な接続を確保することが重要です。
リレー取り付けの基本手順:
- ソケット内部を清拭して異物を除去
- リレーの端子配置を確認
- 正しい向きでリレーをソケットに挿入
- 確実に奥まで押し込む
- ツメが確実にかかっていることを確認
取り付け向きの確認方法:
- リレー本体の印刷や刻印を参照
- ソケット側の端子番号と照合
- 非対称な形状を利用した確認
- 元のリレーとの比較
取り付け時の注意点:
- 無理な力を加えない
- 端子を曲げないよう慎重に作業
- ピンが1本でも挿入できていないと機能しない
リレーが正しく取り付けられているかの確認方法として、軽く揺らしてもガタつかないことを確認してください。
取り付けが不完全だと、接触不良による誤動作や発熱の原因となります。
動作確認と電装品の機能チェック方法
リレー交換後は、対応する電装品が正常に動作することを必ず確認してください。
基本的な動作確認手順:
- バッテリーを再接続
- エンジンを始動
- 該当する電装品のスイッチを操作
- 正常に動作することを確認
- 異音や異臭がないことを確認
電装品別の確認ポイント:
- ウィンカー:左右の点滅速度が正常
- ヘッドライト:ハイ・ローの切り替えが正常
- エアコン:コンプレッサーが動作
- ホーン:音が正常に鳴る
異常がある場合の対処法:
- リレーの取り付け向きを再確認
- 端子の接続状態をチェック
- 他の関連するヒューズも確認
- 必要に応じて専門家に相談
動作確認では、単発の動作だけでなく、連続動作や負荷をかけた状態での確認も重要です。
特にウィンカーリレーの場合は、ハザード動作と左右個別動作の両方をテストしてください。
作業完了後の清掃とメンテナンス記録
作業完了後は、作業箇所の清掃と今後のメンテナンスのための記録を残すことが重要です。
清掃作業の手順:
- ヒューズボックス内の異物や汚れを除去
- カバーの内外を清拭
- 工具を整理・清掃
- 作業エリアの整理整頓
メンテナンス記録として記載すべき内容:
- 交換日時
- 交換したリレーの型番
- 作業時の症状
- 使用した工具
- 次回点検予定時期
定期的なメンテナンスのポイント:
- 3ヶ月に1回:ヒューズボックス内の清掃
- 6ヶ月に1回:全電装品の動作確認
- 1年に1回:リレーの接点清掃
記録を残すことで、将来的なトラブルの予防や早期発見に役立ちます。
特に年式の古い車両では、定期的なリレー交換を予防保全として実施することで、突然の故障を避けることができます。
また、作業記録は車検時や保険手続きの際にも有用な情報となります。
まとめ
この記事では、ヒューズボックスリレーの外し方について詳しく解説しました。重要なポイントをまとめると以下の通りです:
- リレーは電装品の制御を行う重要な部品で、故障時は速やかな交換が必要
- 作業前にバッテリーを外し、適切な工具を準備することが安全の基本
- ヒューズボックスの場所は車種により異なるが、取扱説明書で確認できる
- ツメ式リレーは両側のツメを同時に押して取り外すのがコツ
- 専用のリレープラーを使用すると安全で効率的に作業できる
- 新しいリレーは型番・ピン数・定格が元のリレーと一致するものを選ぶ
- 取り付け後は必ず動作確認を行い、異常がないことを確認する
- 作業記録を残すことで将来のメンテナンスに活用できる
適切な知識と工具があれば、リレーの交換は初心者でも安全に行える作業です。ただし、不安がある場合や複雑な故障の場合は、無理をせず専門の整備工場に相談することをお勧めします。正しい手順で作業を行い、愛車の電装品を良好な状態に保ってください。
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