あなたは「立へんに風と書く漢字の読み方がわからない」と思ったことはありませんか?結論、この漢字「颯」は「サツ」「ソウ」「はやて」と読みます。この記事を読むことで颯の読み方だけでなく、意味や名前での使い方もわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.「颯」の読み方を完全解説

基本の読み方は「サツ」「ソウ」「はやて」
颯という漢字の基本的な読み方は、音読みで「サツ」「ソウ」、訓読みで「はやて」です。
音読みの「サツ」「ソウ」は中国語から伝わった読み方で、訓読みの「はやて」は日本独自の読み方になります。
「はやて」は「疾風」という意味を持つ日本語で、急に強く吹く風のことを表します。
漢字辞典によっては他にも「ロウ」「ラン」「ソク」「リュウ」といった読み方も記載されていますが、実際に日常で使われるのは「サツ」「ソウ」「はやて」の3つが中心です。
「颯爽」「颯然」など熟語での読み方
颯を使った代表的な熟語として「颯爽(さっそう)」があります。
颯爽とは、姿や行動がきりっとしていて勇ましく、清々しい様子を表す言葉です。
「彼女は颯爽と歩いていった」というように使われ、爽やかで勢いのある印象を与える表現になります。
また「颯然(さつぜん)」という熟語もあり、こちらは風がさっと吹き起こる様子や、その風の音を表します。
「颯颯(さっさつ)」という言葉も同じく風が吹く音を表す熟語で、福沢諭吉の『学問のすゝめ』にも使われています。
「さっと」という副詞としての読み方
颯は「颯と(さっと)」という副詞としても使われます。
「颯と」には2つの意味があります。
1つ目は、動作がすばやく行われる様子や、物事が急に変化する様子を表します。
「颯と身を隠す」「颯と顔色が変わる」というように使います。
2つ目は、雨が急に降りだしたり、風が急に吹いたりする様子を表します。
「颯と通り雨が降る」というような使い方をします。
日常会話では「さっと」とひらがなで書かれることが多いですが、もともとは「颯と」という漢字表記があるのです。
名前に使う場合の特別な読み方一覧
名前に使う場合、颯には公式の読み方以外にも様々な当て字の読み方があります。
男の子の名前では「そう」「はやて」「はやと」という読み方が特に人気です。
その他にも「はや」「ふう」「さつ」「いぶき」「かける」「さわ」「さや」「かい」といった読み方で使われています。
女の子の名前でも「さつ」から派生した「さ」という読み方や、「そう」を「そ」と読ませる使い方があります。
漢字辞典に載っている人名用の読み方としては「さや」「すが」「はや」などが認められています。
ただし、名前の読み方は役所で受理されれば基本的に自由なので、これら以外の読み方でも名付けることは可能です。
2.「颯」という漢字の意味と成り立ち

「風が吹く様子」を表す基本の意味
颯という漢字の基本的な意味は「風がさっと吹く様子」です。
風が勢いよく吹き起こる音や、その様子を表現する漢字として使われます。
また、風が吹くように動作が素早いことから「きびきびしている」「爽やか」という意味も持っています。
疾風(はやて)という意味もあり、急に激しく吹く強い風のことを指します。
漢字辞典によっては「きよらかな様子」という意味も記載されており、清々しいイメージを持つ漢字です。
「立へんに風」の漢字構成と由来
颯は「立」と「風」を組み合わせた会意兼形声文字です。
左側の「立」は一線の上に立つ人を表し、右側の「風」は風をはらむ帆と風雲に乗る辰の象形を組み合わせたものです。
この2つが合わさって「風が立つ」ことを意味するようになりました。
つまり、大地にしっかり立つ人と風を受けた帆のイメージから、風が巻き起こる様子を表現しているのです。
文字の構成そのものが「風が立つ」という意味を視覚的に表しており、とても分かりやすい成り立ちの漢字といえます。
「きびきびした」「爽やか」という意味
颯には「動作がきびきびしている」「爽やかな様子」という意味もあります。
風が軽やかにさっと吹き抜ける様子から、俊敏で動きの軽い様子にも例えられるようになりました。
立ち居振る舞いが凛としている様子や、てきぱきといろいろなことをこなしていく有能さも感じさせます。
この意味が「颯爽(さっそう)」という言葉に表れており、行動がキリッとしていて勇ましい様子を表現します。
スポーツ選手や若々しく活動的な人を形容する際によく使われる表現です。
画数・部首・漢字検定級などの基本情報
颯の画数は14画で、部首は風(ふう)です。
風部に属する漢字の一つとして分類されています。
JIS漢字水準ではJIS第2準に含まれ、人名用漢字として認められています。
漢字検定では1級レベルの漢字とされており、難易度は高めです。
日本語能力試験ではJLPT N1レベルに相当します。
ただし、人名用漢字として広く使われているため、読み方や意味は多くの人に知られている漢字でもあります。
3.名前での「颯」の使い方と人気の理由

男の子の名前で人気が高い理由
颯は男の子の名前に使う漢字として長年、高い人気を誇っています。
名前ランキングでは2005年から2023年まで18年連続で上位30位以内に入り続けています。
人気の理由は「かっこいい」「たくましい」「爽やか」といったポジティブなイメージがあるためです。
「順風満帆」や「追い風」という言葉のように、風には勢いが感じられます。
そのため颯にも同様の力強さや前進するイメージを抱く人が多いのです。
また「英姿颯爽(えいしさっそう)」という四字熟語があり、堂々とした態度で勇ましくきびきびとした様子を表すことから、威厳に満ちた印象も与えます。
明るく爽やかで誰からも好かれる人になってほしいという願いを込めやすい漢字なのです。
「そう」と読む名前の例と組み合わせ
「そう」という読み方を使った名前が最も人気があります。
一文字で「颯(そう)」という名前は、シンプルで爽やかな印象を与えます。
二文字の名前では以下のような組み合わせが人気です。
- 颯太(そうた):2005年から2013年まで9年連続でトップ10入り
- 颯真(そうま):2013年から2020年の8年間で5回トップ10入り
- 颯汰(そうた):真面目・誠実な印象
- 颯介(そうすけ):古風で落ち着いた雰囲気
- 颯志(そうし):強い意志力を感じさせる
- 颯平(そうへい):穏やかで優しい印象
「そう」という響きは現代的で呼びやすく、爽やかさと力強さを兼ね備えているため多くの親に選ばれています。
「はやて」「はやと」と読む名前の例
訓読みの「はやて」や当て字の「はやと」という読み方も人気があります。
一文字で「颯(はやて)」という名前は、2022年の男の子の名前ランキングで1位を獲得したこともあるほど人気です。
「はやて」は疾風を意味し、風のように素早く駆け抜けて道を切り開いてほしいという願いが込められます。
「はやと」と読む名前の例には以下のようなものがあります。
- 颯人(はやと):シンプルで力強い
- 颯斗(はやと):北斗星のように輝いてほしい
- 颯大(はやと):大きく成長してほしい
- 颯士(はやと):立派な人になってほしい
- 颯杜(はやと):自然の中で健やかに
「はやて」「はやと」という読み方は、スピード感と勇ましさを感じさせる名前として男の子に人気があります。
女の子の名前での使い方と読み方
颯は男の子だけでなく、女の子の名前にも使われています。
女の子の名前では「さつ」から派生した「さ」という読み方や、「そう」を「そ」と読ませる使い方が人気です。
女の子の名前の例としては以下のようなものがあります。
- 颯希(さつき):5月生まれの子に
- 颯良(さら):さわやかで明るい印象
- 颯香(さやか):上品で女性らしい
- 颯花(はやか):華やかで可愛らしい
- 一颯(かずさ):個性的でおしゃれ
- 千颯(ちはや):古風で優雅な印象
女の子の名前では、愛らしい印象の漢字や女性的なイメージのある漢字と組み合わせることで、爽やかさと柔らかさをあわせ持つ素敵な名前になります。
名前に込められる願いとイメージ
颯を名前に使う際には、様々な願いを込めることができます。
最も多いのは「明るく爽やかで誰からも好かれる人になってほしい」という願いです。
風のように軽やかで、周囲に清々しい印象を与える人になることを期待して名付けられます。
「風のように素早く駆け抜けて道を切り開いてほしい」という願いを込める人もいます。
変化の風を巻き起こす人、つまり周囲に良い影響を与えられる人になってほしいという思いも込められます。
「凛とした品格を持つ人になってほしい」「前向きに新しいことに取り組んでいける積極的な人になってほしい」といった願いも人気です。
颯という漢字が持つ「爽やか」「きびきび」「勇ましい」というイメージから、活発で明るく、行動力のある人物像を思い描いて名付けられることが多いのです。
4.「颯」の書き方とパソコン・スマホでの入力方法

正しい書き順14画のポイント
颯は全部で14画の漢字で、正しい書き順で書くことが大切です。
まず左側の「立」の部分から書き始めます。
立は5画で、横線、縦線、点、横線、横線の順に書きます。
次に右側の「風」の部分を書きます。
風は9画で、外側の枠から書き始め、中の「虫」を書いていきます。
全体のバランスとしては、左右の幅を均等にすることがポイントです。
画数が多いため、一画一画を丁寧に書くことで整った字形になります。
書き順を正しく覚えることで、スムーズに美しく書けるようになります。
「そう」「さつ」で変換する入力方法
パソコンやスマホで颯を入力する場合、「そう」または「さつ」と入力して変換するのが基本です。
「そう」と入力すると変換候補に「颯」が表示されます。
ただし、「そう」にはたくさんの同音異義語があるため、変換候補の中から選ぶ必要があります。
「さつ」と入力して変換する方法もありますが、こちらも「察」「冊」「殺」など他の漢字が先に出てくることがあります。
一度変換して使えば、次回からは予測変換で上位に表示されるようになります。
スマホの場合は手書き入力機能を使って「立へんに風」の形を描いて検索する方法もあります。
「颯爽」と入力して一文字だけ残す裏技
颯がなかなか変換候補に出てこない場合の裏技があります。
それは「颯爽(さっそう)」と入力して変換し、「爽」の文字を消す方法です。
「さっそう」と入力すれば「颯爽」という熟語が変換候補に表示されます。
これを選択した後、「爽」の部分だけを削除すれば「颯」一文字が残ります。
この方法なら確実に「颯」を入力することができます。
同様に「颯然(さつぜん)」と入力して「然」を消す方法も使えます。
一度辞書登録しておけば次回からは簡単に入力できるようになるので、よく使う人は登録しておくと便利です。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 颯の基本の読み方は音読みで「サツ」「ソウ」、訓読みで「はやて」
- 名前では「そう」「はやて」「はやと」「はや」などの読み方が人気
- 颯の意味は「風がさっと吹く様子」「きびきびした様子」「爽やか」
- 「立」と「風」を組み合わせた会意兼形声文字で「風が立つ」ことを表す
- 画数は14画で部首は風、漢字検定1級レベルの難易度
- 男の子の名前で18年連続上位30位以内にランクインする人気漢字
- 「颯太(そうた)」「颯真(そうま)」「颯人(はやと)」などが人気の名前
- 女の子の名前でも「颯希(さつき)」「颯良(さら)」などで使われる
- 「明るく爽やかな人に」「風のように道を切り開く人に」という願いを込められる
- パソコンでは「そう」「さつ」で変換、または「颯爽」と入力して「爽」を消す裏技もある
立へんに風と書く「颯」という漢字について、読み方から意味、名前での使い方まで詳しく解説しました。爽やかで力強いイメージを持つ素敵な漢字ですので、ぜひ正しい知識を持って使ってくださいね。
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