あなたは「立風」と書く漢字を見て、何と読むかご存知ですか?この漢字は「颯(さつ、そう、はやて)」と読み、名前にもよく使われる人気の漢字です。この記事を読むことで「颯」の正しい読み方や意味、書き順、名付けに使える理由がわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.立風の漢字「颯」とは?基本情報を解説

「颯」の読み方と正しい表記
「颯」は音読みで「サツ」「ソウ」、訓読みで「はやて」と読みます。
名前に使う場合は、さらに「はや」「はやと」「ふう」といった読み方も可能です。
「立」へんに「風」と書いて「颯」となり、パソコンやスマートフォンでは「さつ」「そう」「はやて」のいずれかで変換すると表示されます。
日常生活では「颯爽(さっそう)」という言葉でよく見かける漢字ですね。
「颯」の画数と部首について
「颯」の総画数は14画で、部首は「風(かぜ)」です。
部首内の画数は5画となっています。
漢字検定では1級レベル、JIS漢字水準ではJIS第2水準に分類される漢字です。
画数が多いため、名前に使う際は他の漢字とのバランスを考慮することが大切になります。
「颯」が人名用漢字に追加された歴史
「颯」は1990年(平成2年)に人名用漢字として追加されました。
それまでは名前に使うことができませんでしたが、追加以降は男の子の名前を中心に人気が高まっています。
2004年から2020年代にかけて、明治安田生命の名前ランキングで連続して上位にランクインするなど、安定した人気を誇っています。
比較的新しい人名用漢字ですが、今では名付けの定番となった漢字の一つです。
「颯」と「風」の違いと使い分け
「颯」と「風」は、どちらも風に関連する漢字ですが、意味合いが異なります。
「風」は風そのものや風が吹く現象を表すのに対し、「颯」は風が急に吹く音や様子を表現する漢字です。
「風」は一般的で汎用性の高い漢字ですが、「颯」はより動的で勢いのあるイメージを持ちます。
名前に使う場合、「風」は穏やかな印象、「颯」は爽やかで勇ましい印象を与える傾向があります。
2.「颯」の意味と成り立ち

風がさっと吹く様子を表す「颯」
「颯」の基本的な意味は、「風がさっと吹く様子」「風が急に吹き起こる音」です。
突然吹く強い風や、風が巻き起こる瞬間の勢いを表現する漢字として使われます。
また、「きびきびしている様子」「動作が素早い様子」という意味も持っています。
清らかで爽やかなイメージと、勢いのある力強いイメージを併せ持つ魅力的な漢字です。
「立」と「風」から成る漢字の由来
「颯」は「立」と「風」を組み合わせた形声文字です。
「立」の部分は音を表し、「風」の部分は意味を表しています。
大地に立つ人と風を受けた帆の象形から成り立ったとする説もあり、文字通り「風が立つ」様子を視覚的に表現しています。
元々は「立」の音から「リツ」と読まれていましたが、風が吹く音を表現することから「サツ」という読みが定着したという歴史があります。
「颯」を使った熟語の意味(颯爽・颯然など)
「颯」を使った代表的な熟語をご紹介します。
- 颯爽(さっそう):人の態度や動作がきびきびしていて爽やかな様子
- 颯然(さつぜん):風がさっと吹き起こる様子、またはその風の音
- 颯颯(さつさつ):風が吹く音、風が吹き渡る様子
これらの熟語はいずれもポジティブな意味を持ち、清々しさや力強さを表現する際に使われます。
「颯」を含む四字熟語とその意味
「英姿颯爽(えいしさっそう)」は、「颯」を含む代表的な四字熟語です。
この言葉は「姿形が立派で堂々としており、態度が爽やかで勇ましい様子」を意味します。
見ていて気持ちの良い、凛とした人物像を表現する言葉として使われます。
他にも「威風颯爽」という言葉もあり、威厳があって堂々とした様子を表現する際に用いられます。
「颯」の持つポジティブなイメージとは
「颯」という漢字は、基本的に非常にポジティブなイメージを持っています。
爽やかさ、清々しさ、勇ましさ、きびきびとした行動力、素早さといった好印象な要素が連想されます。
一部の辞書では「やせ細る」「衰える」という意味も記載されていることがありますが、この解釈には議論があり、一般的には前向きな意味で使われています。
名前に使う際も、これらのポジティブな意味を込めることで、子どもの明るい未来を願うことができます。
3.「颯」の書き順と正しい書き方

「颯」を美しく書くためのポイント
「颯」を美しく書くには、左側の「立」と右側の「風」のバランスが重要です。
まず左側の「立」から書き始め、次に右側の「風」を書いていきます。
全体で14画という画数の多い漢字なので、一画一画を丁寧に書くことが大切です。
筆圧を均等に保ち、各部分の大きさのバランスを意識することで、整った文字になります。
「立」と「風」のバランスの取り方
左側の「立」は全体の3分の1程度、右側の「風」は3分の2程度の幅を目安にすると美しく見えます。
「立」を小さめに書き、「風」を大きめに書くことで、安定感のある文字になります。
「風」の部分は複雑なので、内側の「虫」の部分を詰めすぎないように注意しましょう。
全体として、横に広がりすぎないように縦長のシルエットを意識すると良いでしょう。
子どもに教える際の注意点
子どもに「颯」の書き方を教える際は、以下の点に注意しましょう。
- まず「立」と「風」を別々に練習させてから組み合わせる
- 画数が多いため、一度に全体を書かせようとせず、部分ごとに区切って練習する
- 書き順を正確に覚えさせることで、バランスの良い文字が書けるようになる
- 最初は大きめに書かせて、細部まで丁寧に書く習慣をつける
焦らずゆっくりと練習することで、確実に上達していきます。
4.名付けで「颯」を使う理由と込められる願い

「颯」が名前に人気の理由
「颯」は2000年代以降、男の子の名前に使われる漢字として常に上位にランクインしています。
明治安田生命の名前ランキングでは、2004年から2023年まで18年間連続で上位30位以内に入るという驚異的な人気を誇ります。
人気の理由は、かっこいい見た目、爽やかな響き、ポジティブな意味の三拍子が揃っているからです。
また、さまざまな読み方ができることも、名付けの自由度が高く選ばれやすい要因となっています。
爽やかで明るい子に育ってほしいという願い
「颯」を名前に使う際、最も多く込められる願いが「爽やかで明るい人になってほしい」というものです。
「颯爽」という言葉のイメージから、清々しく周囲に好印象を与える人物になることを期待できます。
風のように軽やかで、誰からも好かれる明るい性格の持ち主に育ってほしいという親の思いが表現されます。
すがすがしさやすっきりした雰囲気も感じられ、ポジティブな人生を歩んでほしいという願いを込めることができます。
きびきびと行動できる人になってほしいという思い
「颯」には「動作がきびきびしている」という意味があることから、行動力のある人物像を期待できます。
何事にも積極的に取り組み、テキパキと物事を進められる人になってほしいという願いを込められます。
勉強にも部活にも一生懸命取り組む、文武両道な人物というイメージも連想されます。
周りのお手本になれるような、しっかりした人に育ってほしいという思いを表現できる漢字です。
「颯」を使った男の子の名前例(読み方付き)
男の子の名前に「颯」を使った人気の名前例をご紹介します。
一文字の名前
- 颯(はやて、そう、さつ、はやと)
二文字の名前
- 颯太(そうた、ふうた)
- 颯真(そうま、はるま)
- 颯人(はやと、はると)
- 颯斗(はやと、りくと)
- 颯汰(そうた)
- 颯介(そうすけ)
- 颯志(そうし)
- 颯馬(そうま)
- 一颯(いぶき、いっさ)
- 千颯(ちはや)
三文字の名前
- 颯一郎(そういちろう)
- 颯太郎(そうたろう)
「颯」を使った女の子の名前例(読み方付き)
女の子の名前にも「颯」を使うことができます。
二文字の名前
- 颯希(さつき)
- 颯貴(さつき)
- 颯香(ふうか)
- 颯音(ふうね)
- 颯良(そら)
- 颯凪(ふうな)
三文字の名前
- 颯香里(さかり)
- 颯也佳(さやか)
女の子の名前では、「さ」や「ふう」という読み方を活用することで、柔らかく feminine な印象を与えることができます。
画数が多い「颯」には、画数の少ないシンプルな漢字を組み合わせるとバランスが良くなります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 「立風」と書く漢字は「颯(さつ、そう、はやて)」と読む
- 「颯」は風がさっと吹く様子やきびきびした動作を表す漢字である
- 総画数は14画で部首は「風」、1990年に人名用漢字に追加された
- 「颯爽」「颯然」など爽やかでポジティブなイメージの熟語に使われる
- 「英姿颯爽」という四字熟語は堂々として爽やかな様子を表す
- 名前に使う際は爽やかで明るい人、きびきびと行動できる人になってほしいという願いを込められる
- 2000年代以降、男の子の名前ランキングで常に上位の人気漢字である
- 「そう」「はやて」「はや」など複数の読み方ができるため名付けの自由度が高い
- 画数が多いため他の漢字とのバランスを考えて組み合わせることが重要
- 女の子の名前にも使える魅力的な漢字である
「颯」という漢字には、お子様の明るく爽やかな未来を願う素敵な意味が込められています。
ぜひこの記事を参考に、お子様にぴったりの名前を見つけてくださいね。





