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  • 執筆者の写真柴崎春通

透明水彩で描くチューリップの景色

更新日:2018年5月11日


皆さんこんにちは。水彩画講師の柴崎です。神奈川県横浜市の穏やかな春の日差しの下で咲き誇るチューリップの景色を描きました。実際は街中の公園だったのですが、チューリップの花にポイントを置いて描きたかったので、建物は全て排除して遠方に山を描いてみました。


色について


いつもの水彩絵の具24色セットになります。W035 / パーマネントイエローレモンは、チューリップの花のベースカラーとして使用します。 W032 / ジョンブリアンとW034 / イエローオークとW096 / コンポーズブルーは空の色として使用します。


今回はW213 /オペラをチューリップの花の色として使用します。 このオペラは24色セットに含まれていませんが、非常に便利だと思います。 他の色と混ざることで、絶妙な色を表現することができるからです。


プロセスとテクニック

花の空間感がよくわかるように、画面左上方に花の線が一点に集まるように構成しました。


まずこのようにイエローレモンをたっぷり筆に取り、黄色と赤いチューリップを描く部分をフラット塗りしていきます。

下地のイエローレモンが乾きすぎないうちに、チューリップの黄色い花はイエローディープを、赤い花はオペラを、素早く大小のタッチの変化をつけながら塗っていきます。


空の表現に取り掛かります。ジョンブリアンやイエローオーカーなどの明るい暖色をたっぷりの水で薄めて一気に塗ります。それが乾かないうちに明るいブルーを所々に塗って2つの色が画面上で混ぜるまでしばらく放置します。

このようにして水彩画の特徴であるウェットインウェットで青空と雲が出来上がったら遠景の山を青紫の色調で大きく描きます。


白い花を描きます。といっても、花の間に見えるグリーンの葉っぱを点描風に塗ることで、紙の白を白い花として表現します。

このグリーンの色をさらに画面下のほうに塗り広げて、あらかじめ描いておいた赤い花の周りを塗り込んでいきます。この時に赤い花の上の部分は、イエローを残すようにすると花の上の部分に明るい光が当たったように見せることができます。

次に1番手前にある黄色いチューリップですが花の側面にオペラピンクを薄めて売って立体感を表します。


花の形が見えたところで花の葉を塗るのですが、赤い花と同じグリーンでは少し退屈なので、イエローやオレンジ色の補色にあたるブルーを塗ります。


最後に画面左上の木の葉のグループを描きます。ここでは、絵の具が乾かないうちに軽くスクラッチして明るい枝を描きます。次に暗い色でその他の幹や枝を描きます。このように遠景を暗く描くことで、手前に広がる花の明るさを一段と際立たせることができるのです。


終わりに画面上部にある白い花のグループの左の方の部分に薄めたブルーで日陰を塗って白い花の咲いた様子が画面中央部に見えてくるように演出します。



YouTube動画「チューリップの景色」

今回解説した内容を約10分の動画として公開しておりますのでご覧ください。

チャンネル登録もよろしくお願いします。 

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